AIの定義 2018 4 8

書名 誤解だらけの人工知能
著者 田中 潤  松本 健太郎  光文社新書

 AIとは何か。
ディープラーニングそのものである。
 AIに関しては、過去に何度かブームがありました。
しかし、こうしたブームは、「夢を追う」形で終わりました。
今回のブームは、夢ではなく、現実のものとなるでしょう。
 過去のブームにおいては、
CPUパワーの不足(GPUの不存在)、
メモリの限界、データの不足、
適切なプログラミング言語がなかったなど、
失敗する原因は、いくらでもありました。
 今回のブームにおいては、
ビッグデータの存在、
GPUの出現、
「Python」というプログラミング言語の出現、
機械学習、そしてディープラーニングの進展というわけで、
成功する原因は、いくらでもあります。
 ところで、巷では、
AIには、「心」があるかないか、
あるいは、「心」が宿るか「魂」が宿るかという迷信が流行っていますが、
これは、「都市伝説」の一種です。
 AIとは、プログラミングそのものです。
ビッグデータとプログラミングそのものです。
 確かに、データ選択で誤りがあったり、
プログラミングで誤りがあれば、
AIが暴走して、
つまり、AIに「心」があるように見えるかもしれません。
 しかし、それは、偶像化そのものでしょう。
アメリカには、映画で、車そのものが主人公となり、
様々な活躍をするという「カーズ」という映画があります。
AIに対する誤解も、この映画と似たようなものでしょう。

GPUの時代 2017 7 17 Marine Day
「まさかゲーム部品がAIの主役になるなんて」
 GPUとは、パソコンのCPUと似ていますが、全く別のものです。
話せば長くなりますが、
順番に、時系列に書いていきます。
 パソコンで、計算やワープロをしている時は、
CPUで十分だったのです。
 ところが、パソコンでゲームや動画を楽しむようになると、
CPUに大きな負担がかかるようになったのです。
 そこで、CPUは、計算処理に専念して、
画像処理は、画像処理専門の半導体に担当させるようになったのです。
その半導体が、Graphics Processing Unit(GPU)です。
 昔は、パソコンでゲームや動画を楽しみたい愛好家は、
競い合うように、NVIDIAなどのGPU(グラフィック・ボード)を買い求めたものでした。
 パソコン愛好家は、一時期は、CPUの性能に熱狂していましたが、
やがて、CPUではなく、GPUの性能に熱狂するようになったのです。
 強力なGPUがあれば、3Dゲームや動画が、
鮮明に、あるいは滑らかに表現できるからです。
 そういうわけで、いつの間にか、
パソコン愛好家の間では、CPUの時代から、GPUの時代になったのです。
 ところが、今や、AIコンピューターにも、
CPUではなく、GPUが使われるようになったのです。
 AIコンピューターでゲームをするのか。
いや、違います。
GPUがAIコンピューターに最適だとわかったのです。
 本来、画像処理用に作られたGPUが、
機械学習やディープラーニングで象徴される、
AIコンピューターの心臓部に最適だとわかったのです。
 そういうわけで、NVIDIAは、
ゲーム部品の会社から、AIコンピューターの主役になったのです。
 つまり、時代は、CPUコンピューティングではなく、
GPUコンピューティングの時代になったのです。
 このままでは、コンピューティングの主役は、GPUであり、
CPUは、オマケのような存在になってしまうかもしれません。
 さて、CPUとGPUの構造的な違いは、コアの数です。
一般的なCPUでは、コアの数が4から8ぐらいだと思いますが、
GPUにおいては、数千になります。
 もちろん、こんなにコアが多いと、大きな熱を発生させます。
そういうわけで、CPUよりも、GPUの方が熱の発生量は大きいのです。
 そもそも、GPUは、3Dゲームや動画を楽しむために開発された専用半導体であり、
CPUのように、何でもできる汎用の半導体ではありませんでした。
 ところが、GPUが高性能化してくると、
汎用という分野でも、最初から汎用に設計されたCPUを上回るようになり、
GPUが、CPUのような仕事も引き受けるようになったのです。
これを「GPGPU(General-purpose computing on GPU)」と言います。



















































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